明けましておめでとうございます。
2022年はほとんどこのブログを書くことができませんでした。
とは言っても文章を書くことは続けていました。
書くこと以外でも大学院の勉強として読んだり、仕事(ケア労働)したり、生活(ケア無償労働)したり、それなりに忙しくしていました。書くお仕事や喋るお仕事をくださった方、また読んでくださった方、本当にありがとうございました。
本当は『月刊ケアマネージメント』という雑誌に2019年12月から連載している原稿を、このブログに公開していこうかと思っていたのですが、それは一旦様子をみることにしました。できたらこれまで書いてきたものをまとめて、いつか本にしたい、と考え始めたからです。少々大袈裟ですが、私の生きていた証を残したい、カナダで生活してきた歩み、移民の介護スタッフとして働いて経験したことをきちんとカタチにしたいと思うようになりました。
ウェブサイトの方はちょこちょこ更新していたのですが、2022年のまとめとして、これまで「月刊ケアマネージメント」に書いた原稿のタイトル(ほとんど編集者の方がつけてくれました)と、2022年に書いた論文・論考を下記にまとめてみたいと思います。
<2019年12月〜現在連載中 『月刊ケアマネージメント」タイトル一覧>
- 安楽死の現場で守られる 患者の人権、職員の人権
- 異国の老人ホームで母国の文化を取り入れる
- 「当たり前」が通じない〜国際色豊かな介護現場の教育と工夫
- 禁止ではなく見守ることで薬物からの脱却を目指す〜「ハームリダクション」の考え方
- 2005年に同性婚が合法化〜孤立しやすいLGBT等シニア 差別をしない・させない環境を
- 相談窓口、雇用の安定、公的保証、頼れる友人やボランティア〜緊急事態宣言!カナダ政府の支援と国民の工夫
- オンタリオ州のCOVID−19志望者の7割が施設入所者〜全ての入所施設でPCR検査実施 カナダの施設の感染防止策
- 営利目的の民間運営施設で死亡者激増〜感染拡大で認識された介護職の重要性と過酷さ
- 「法令遵守」「十分な休息」「業務の明確化と主体性の尊重」〜介護スタッフのストレス軽減は3つの基本を守ことから
- 休校は1週間、タブレット支給 IT先任者配置〜介護現場も教育現場も素早く対応したカナダのオンライン活用事情
- 多国籍民族国家のケアの現場(前編)〜新しい日常(ニューノーマル)と移民問題 ケアする人を海外から呼ぶということ
- 多国籍民族国家のケアの現場(後編)〜「移民」として受け入れるカナダと「一時滞在の外国人研修」の日本
- 大麻よりもお酒の規制の方が厳しいってホント?〜飲酒のハードルが低い日本とアルコールの管理が徹底されるカナダ
- 4人に1人が家族介護。介護者の半分がダブルケアラー〜介護問題は世界共通 高齢化進むカナダの家族介護事情
- 「私へのプレゼント代は施設に」寄付文化が根付くカナダのクリスマス
- カナダで活躍する日本人介護士インタビュー(前編)素晴らしい日本のヘルパーさんときめ細かいチームケア
- カナダで活躍する日本人介護士インタビュー(後編)働きやすさ(カナダ)と繊細なケア(日本)が介護者と利用者を満足させる
- 施設のレクリエーションが地域の「場」に 〜老人ホームでのボランティア活動は健康なシニアの生きがい
- カナダの新型コロナウイルス事情と高齢者虐待〜ワクチン摂取が進むオンタリオ州でも「自宅待機命令」 制度からこぼれ落ちないために積極的に情報収集を
- 人権法を犯す犯罪行為は許さない〜職場や仕事でのハラスメントは法律違反として対応するカナダ
- 記念写真ブース、チョコ配布に、即席ストリートミュージシャンライブ〜「おめでとう!」と医療関係者が声かけ まるでお祭り?!カナダのワクチン接種事情
- 「施設から地域へ」の弊害 「社会的入院」がないオンタリオ州の精神医療 脱施設化が多くのホームレスと支援団体を生んだ
- 政治が不在・判断を避けるトップ・コロナ対策も個々の判断〜科学的根拠に基づく政策なし どこまでも自己責任の日本
- 先住民族に行った残虐な政策を忘れない〜カナダの知られざる暗い過去に、国と国民はどう向き合っているか
- 精神医療センターやヤングケアギバー教会が支援〜メンタルヘルスに問題を抱える親を持つ子ども・若者介護者をどう支えるか
- 日本にいる高齢の親が要介護状態に。海外に呼び寄せる?それとも…増加する国境を越えた「超遠距離介護」
- カナダへの24時間専用電話番号、家族呼び寄せ情報、定住プログラムを迅速に用意〜カナダ政府が行うウクライナ系家族への充実した支援と、ロシア系住民への配慮
- 一人暮らしのカナダ在住日本人高齢者の実態調査で分かった 日本人移民の高齢化で深刻化するコロナ禍での孤立と社会的断絶
- 1ヶ月2000ドルの給付金を支給し続けて自殺者減少〜コロナ禍でも自殺者が減ったカナダ、日本との違いはなんだったのか?
- 高校まで学費無償、入学試験禁止、選挙時に小学生が模擬投票〜教育GDP最低の日本とここまで違う、子どもの教育を重視するカナダの政策
- 科学的介護の時代到来〜福祉実践は数値化できるのか?知っておきたい「数字の嘘」
- カナダの成年後見人制度〜Power of Attorney (POA)の光と陰
- 民営化で崩壊する訪問介護〜低賃金と人材不足を考える際の不可欠要素
- 交差する複雑な権力構造を明らかにする批判的視点〜「インターセクショナリティ」(前編)
- 交差する複雑な権力構造を明らかにする批判的視点〜「インターセクショナリティ」(後編)
- 反抑圧主義実践(Anti-OppressivePractice)を行うために 〜特権とは何か〜
論文・論考・レポート
- 「カナダの高齢者の暮らし・医療・介護」2023.1. 月刊ゆたかなくらし(世界の高齢者〜そのくらし・医療・福祉・介護)
- 「介護におけるインターセクショナリティ」 2022.12. 女も男もNo. 140 (介護労働・家族介護のいま・未来)
- 「インターセクショナルアプローチを用いて介護を考える」2022.4. 季刊 福祉労働172号
・Ethnocultural long-term care homes in Canada: a place for cultural inheritance and community building (カナダにおけるエスノカルチュラルな高齢者介護施設:文化継承とコミュニティ形成の場として) 2022.12. International Journal of Care and Caring.[本文英語。カナダにおける民族・人種に特化した高齢者入所施設のレクリエーション専門スタッフは、文化継承とコミュニティ構築の一端を担っていることを明らかにしている。それによりケアの意味とその価値とは何かを問うている]
・Exploring the Challenges of Community-Dwelling Japanese-Speaking Seniors in Metro Vancouver: Research Report. Vancouver: Tonari Gumi – Japanese Community Volunteer Association.(コロナ禍の日本の社会福祉制度下の不安定な働き方:非正規労働者の抵抗なきレジリエンス)(共著:Viveka Ichikawa, Izumi Niki, & Izumi Sakamoto)2022. 10. Asia Pacific Journal of Social Work and Development. Volume32 Issue3, 184-199.[本文英語。コロナ禍における市役所福祉課の非営利職員の苦悩と日本の非正規公務員の差別構造について書いている]
まだ他にも書いたものがある気がしますが、主にはこんなところでしょうか。もし上記の原稿を読みたい(けれどアクセスできない)という方がいらっしゃいましたらご連絡ください。
カナダの福祉や介護なんて興味がある方いるのかしら?と思いますが、このブログやウェブサイトを見てくださって連絡をくださる方は定期的にいらっしゃるのと、書くことは私の力の源になるので、本当にゆっくりの歩みですが本ブログも続けていければと思っています。まだ出版されていないもの、今書いているものも何本かあり、2023年も引き続き書きます(読みます・感じます)!
皆さんにとって2023年が良い年になりますように。健康一番。負けへんで!
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
二木泉