PCR検査は週1回、そしてワクチンを接種しました

カナダ・オンタリオの近況

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お久しぶりです。あけましておめでとうございます。(遅いですね)

今年もよろしくお願いいたします。

さて、こちらトロントは11月から再度ロックダウンになり、12月下旬からはオンタリオ州全体がロックダウンになりました。学校も2月半ばまでオンラインのみ。

が、感染者は高止まりしていて減っていません。

1月に入ってからはオンタリオの感染者3000人程度、死亡者40〜70/日くらい。カナダ全体では死者は17,000人にのぼります。

ここで忘れないように、最近の検査の様子と、ワクチン接種に関して記録しておきたいと思います。

<検査に関して>

高齢者施設に勤務するスタッフは去年から2週に1回の検査でしたが、11月ごろからは週1回のPCR検査が義務付けられるように。検査結果を出さないと勤務ができません。

毎週同じ曜日に行われているのですが(ロビーで施設の看護師が行う)私はその曜日は勤務日ではないので、正直、行くのは面倒でした。

そこで、近所の薬局で検査を受けることにしました。

昨年9月ごろから、病院等に設置されたCOVID -19アセスメントセンターは濃厚接触者や症状がある人のみが利用できることになり、無症状者は大手薬局で予約の上、検査を受けられるようになりました。薬局の薬剤師が個室で検査してくれます。

もちろん無料です。

(旅行のために検査する人は12月中旬より有料になり、約200ドルかかります)

ちなみになぜか薬局で受ける検査は、鼻の表面をこするだけ。普段、奥まで突っ込まれていたのでその苦痛が嘘のようです。

さて、ワクチンに関して。

一昨日(2021年1月13日)、モデルナのワクチン接種しました!

いち早くワクチンを承認したカナダ(アメリカより数日早かった)。12月13日に第一陣がカナダに到着、早速15日から摂種が始まりました(トロントで最初に接種を受けたのはダウンタウンにある高齢者施設の職員。フィリピン系の人だったとのことで、歴史的!とちょっとしたニュースになっていました)。

このワクチンはファイザーでしたが、一足遅れて、12月末にモデルナワクチンがカナダに到着。

私たちの施設のスタッフは、12月中より病院でファイザーのワクチンが摂種可能になりましたが、最初は10人の部署に2人分くらいの割り当て数しかなく、希望者を募っていました。2週間くらい前には誰でも希望したスタッフは受けられることになりましたが、ファイザーは超低温の保存が必要のため、病院に行く必要がありました。

が、この度、1月13日に私が勤務する施設に医師?ナース?のみなさんが来て、入居者250人、スタッフ数十人に一斉にワクチンを摂種することになりました。こちらはモデルナです。もちろんスタッフも入居者さんも接種は希望者のみですが、ほとんどの入居者の方は接種したようです。

個人的にはもう少し待ってからの方がいいのかなー、という思いも少しありましたが、現在の時点でヨーロッパ、アメリカなどで数百万人に摂種が行われ、重篤な副作用が見られなかったことと、週1回の定期的な検査の時にここ数回、スタッフの陽性者が見つかっていて、その度に2週間ほどフロアが「ロックダウン」することが繰り返されていました。

ロックダウンすると、一緒にシフトに入っていたスタッフが濃厚接触者になり出勤停止になりさらに人手不足になります。入居者さんは個室で過ごしていただくために、集団レクは中止、個別レクになります。私たち、レクスタッフは食事介助が必要な方などのサポートに駆り出されます。(年末年始もアウトブレイクで特別なイベントできず…でした)

このままワクチンを摂種しないで、自分が無症状の陽性となったら…。さらに入居者の方に移してしまったら…と考えると…。去年から続くこの緊張感にもう耐えられそうにありません。カナダでも変異株が確認されているので、これ以上感染の速度が早まると、いよいよやばいなというのも感じていました。

近くの高齢者入所施設では定員254人に対して、入居者180人以上が感染、スタッフも20人以上が感染し、合計で70人以上が亡くなっているのです(ニュース)。もうこの施設は、この法人のスタッフだけでは運営することができず、近くの病院が臨時で運営に入っています。

私たちも他人ごとではありません。

なのでこれを機にワクチンを摂種してもらうことにしました。ワクチンの仕組みや安全性、リスクについては、事前に州政府から説明書が配られていました。

(なおファイザーとモデルナのワクチンをいろいろ比較してみましたが、保存の温度や2回目の摂種の時期(4週間と3週間)、摂種可能な年齢(16才と18才)の違いくらいしか見つけることができませんでした。ファイザーに比べて、モデルナの方が1回目で抗体ができやすいという説もあるようですが、どうなんでしょう。)

ワクチン摂種で驚いたのは、ICU(コロナ対応あり)で看護師をしている友人は私よりも摂種が同時期だった(1日遅かった)ことです。

同時並行で、医療者、高齢者施設スタッフ、高齢者入所施設の入居者に摂種しているのがわかります。オンタリオでは1日で10万〜20万人くらい摂種しているようで、それでも「遅い!」と批判が出ています。

(バウチャーを作って配布してどうのこうのって言ってる日本は時間もお金もかかりそう。こちらはヘルスカードの番号で検査もワクチン摂取も管理しているので、日本も皆保険制度を利用して保険証でできないのでしょうか。組合ごと社保と国民健康保険とかいろんな種類があるから難しいのか?)

カナダで死亡された方の多くが高齢者入所施設の入居者さんということを鑑みれば、リスクが高い方々に先に摂種するのは当然のことです。(※)

ちなみに摂種の時の同意書にはアレルギーの有無や、過去2週間以内に別のワクチンを摂種していないか、などの項目の他、妊娠していないか、授乳していないか、などの質問もありました。

ワクチン摂種の証明書はその場ではもらえず、欲しいなーと思っていたら、記入したメールアドレスにすぐに送られていました。ちなみにPCR検査の結果もオンタリオ州のウェブサイトから確認できます。

ワクチン摂種自体は驚くほど痛くありませんでした。インフルエンザより痛くないかも。摂種の副反応はほとんどなく、摂種翌日の昨日は腕が痛かったのと、若干だるかった気はします。でもプラセボ効果かも?気のせいかも?または普通の疲れかも。

モデルナワクチンは4週間後に2回目の摂種があります(ファイザーは3週間後)。この時の方が副作用が強いと聞くので、少し心配です。次の日が休みの時に受けられるといいのだけど…。

 

ワクチンは摂種しましたが、希望者のみの摂種ですし、2回目の摂種はまだなので、週1の検査は今後もしばらく続きます!

※ 日本では高齢者施設での死亡者数を明確に出していません。これは、国際比較をする時にはとても困ります。ただ、大阪での死亡者数が東京より多いことは、高齢者入所施設での感染が多いからではないかということが示唆されています。定義がはっきりしない「クラスター」●件を使うのではなく(それすら明確に公表されていない)、高齢者施設や病院で起こった感染者数、死亡者数をはっきりと出して欲しいです。

オンタリオでは、高齢者施設で一人でも感染者が出るとアウトブレイクが宣言され、名前と感染者数、死亡者数がウェブサイトで公表されます( 1月15日現在、243ヶ所だそう…。たしかlong-term careはオンタリオ州で660ヶ所だったと思うので単純計算して1/3以上)。学校や保育園での感染も公表されます。