(元記事は2018年12月17日のものです)
みなさんお久しぶりです。半年ぶりの投稿となり、ご無沙汰してしまいました。
初めましての方もいらっしゃるでしょうか。私は2014年8月にカナダに大学院にソーシャルワークを勉強するために子どもたちを連れて留学しました。当時子どもたちは2年生と5年生でしたが、今は6年生と中3です(カナダではすでに高校生!)。私は2年間の留学期間の後、就労ビザを取得し老人ホームで日系人、日本人の方のためのレクリエーションを担当していました。現在は大学院の博士課程に在学しています。
2018年はみなさんにとってどのような年だったでしょうか。
私的大ニュースは2018年9月から大学院の博士課程に進学したことです。
カナダでの大きなニュースといえば、2018年10月の大麻の合法化ではないでしょうか。
オンタリオ州では19歳以上が購入、使用(栽培)することができます。
州政府の管理のもと、現在は通販のみで購入することができますが、2019年には認可を受けた民営の店で購入できるようになるようです。
吸うタイプだけなく、オイル、スプレーなどもあるらしく、食べるタイプもあります。ウェブサイトを見て見たところ、乾燥大麻は1グラム10ドルくらいから売られています。
また、オンタリオ州は6月に首長が変わり、激動の一年でした。
というのもカナダは連邦国家制度をとっており、州ごとに福祉制度など法律が異なり州政権が多くの権限を持ちます。
2018年6月に自由党から政権が交代し、保守党のダグ・フォード氏が州の首長となりました。それから半年、かなり福祉制度が変わりつつあります。
オンタリオ州の財政改革を掲げて行われた制度の変更は、福祉制度や教育制度に関わるもので、すぐに思いつくだけでもこのようなものがあります
・トロント市定数削減(47から25議席へ)
・ベーシックインカム導入試験を中止
・最低賃金15ドルへの計画を凍結
・チャイルドアドボキットへの助成廃止
・家賃高騰に対する家賃の値上、上限額の撤廃
・25歳未満に対する処方薬の無料制度の廃止
・2015年導入の性教育の新プログラム廃止
・効率学校改修費、約90億円の計画中止
・薬物が安全に使用できる拠点「セーフインジェクションサイト」新規3箇所、開所凍結
・有給休暇に加えて年10日の休暇制度(うち2日は有給)の廃止
・難民定住支援の中止
・障害者手当て削減計画中
このように列挙してもわかりにくいと思いますが、上記の改革のほとんどは、前政権の自由党下(2013-2018)にできた新しい政策を廃止したり中止したりするものです。国レベルでも同様ですが、政権交代が前提となっているためか、政権交代後にかなり急激に改革を行う印象があります。
1995年から2003年まで保守党の首長であったハリス氏は、新自由主義に基づく改革を行なったことで有名で、大幅な福祉カットが行われました。
今回のダグ・フォード氏の改革も、同様に福祉の冬の時代の再来か、とも言われています。
福祉団体は国、州、市からの委託金や助成金で運営されているところが多いため、政権が変わるとその方針により助成内容や予算規模が変わり、団体運営に大きく影響がでるところも多いとのこと。
今後、人々の生活にどのような影響が出てくるのかしっかり見守っていく必要があります。今後もカナダ、オンタリオ州の福祉を今後もお知らせしていければと思います。
参考 CBC news: